倭漢三才図絵
医師 寺島良安により約30年かけて正徳2年(1712年)に編纂
105巻 首1巻 目1巻 全81冊
巻第四十
川太郎(かはたらう) 名は川童(かわらう)。
深山に山童有り 同類にして色変わりてこれに過ぐ。 昆鉄(こんてつ)の物なり
般(およ)そ川太郎は西国九州の 溪澗・池・川に多く有り。
状は千歳の託(かご)に小児を託すが如く、 裸にして能く立ち行き、人の言を為す声あり。
毛短く少なし。頭凹みて一羽木(いちうぎ)あり。毎(つね)に水中に棲み、
時々河辺に出でて孤祠(こし)園裁(えんさい)を繞(めぐ)る。
性、好んで人に相(あ)ふ。人、見れば則ち招請す。
此れに達する者と佑伎(ゆうぎ)を充(あ)たふ。
頭の水を為すを川太郎畏る。 役解(えきげ)して帰る。
頭の水流れ尽くれば力蹙(つく)して仆(たふ)れ委(す)つ。 其の頭に水有れば力勇士に倍す。
手脳(てのう)能く脇左右に通じて痛刺す。 故に却(しりぞ)くこと能わず。
動けば牛馬を引き入れて水に停(とど)む。
尾を自ら吼歔(こうきょ)して血を出し、人を驚かす。 最も慎むべし。
相伝ふ、菅公筑紫に在りし時、 川太郎の災い有りと云々。
偶(たまたま)捕ふる者と与(とも)に後崇(こうすう)を恐れて之を放つ。
※AI翻訳
右ページの「水虎」も現代ではカッパですが川太郎と区別されていますね
この、巻第四十は 寓類(ぐうるい)《主に木に住む動物》と 恠類(カイルイ)《怪しい化け物》です
変換できない漢字が多いのでカタカナにしますが、水虎、川太郎の他に前半では
サル、マキムクゲザル (キンシコウ)、エンコウ(テナガザル)、トツ(大テナガザル?)
ヲナカサル(オナガザル)、コシシロノサル(シロテナガザル)
木に住む動物のサルが書かれ
続いて 《ここから先は絵のほうがわかりやすいので》
(右からです)
さすがに医学者です江戸時代後期の常識と違い
「かっぱ」は恠類(カイルイ)怪しい化け物
つまり妖怪の類に書かれていると関心していました
2004年ごろだったと思いますが、私が「倭漢三才図絵」を買い求めたのは全81冊のうちの
「うなぎ」が書かれている一冊です
その一冊には巻第四十八~巻第五十一までが書かれ
うなぎは 巻第五十「河湖 無鱗魚」【淡水の鱗の無い魚】に書かれています
もちろん全81冊揃えでも売られていましたが
小遣いが無いのでバラで出てくるのを待っていました
幸運にも3000円で直ぐに買うことができたんです
さらに幸運が続きます
初めて2000円で買ったボロボロの浮世絵が
歌川 芳藤の
「
新板 魚尽
」
なのですが、その中の一つの生物が
どうしてもわからなく、すごく気になっていました
これを見て何の生物かわかりますか?
文字もわからないし、当時の私には「怪獣」にしか見えなかったです
ところが
その一冊の中の 巻第五十一「紅海無鱗魚」には
ワニです
スッキリです
お恥ずかしいのですが、こんなくだらない事が私の収集と勝手な謎解きの始まりです
このページを打ち込んでいる今でもPCの前には贋作とはいえ200年前、300年前の
書があること自体、不思議な空間にいるようです
余分な話になってしまいましたが話をもとに戻します
医師の寺島良安さん、「かっぱ」は恠類(カイルイ)怪しい化け物 つまり妖怪の類に
入れているところは流石だと書きましたが
「うなぎ」の書かれている前の 巻第四十九「「紅海 有鱗魚」の後半に
イワシ、ウルメイワシ、ニシン、に続きまして
シャチホコ、ウンギョ、ロクキヨ(シイラ)で終わります
確かに鱗はありますが、、、
「勒魚」もシイラの姿とはかけ離れていますが「勒魚」の漢字はシイラのことですし
本文で『聲則魚至』(音を立てると寄ってくる)と紹介していますのでシイラだと思います
繰り返しますが 著者の寺島良安は江戸時代の立派な医学者、博物学者です
掲載の写真、図表、文章などの無断転載を固くお断りいたします
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